十勝毎日新聞に掲載されました

2021年9月26日の十勝毎日新聞にて、「大家族プロジェクト」についての記事が掲載されました。

この掲載された少年は大家族プロジェクトの「家族の声」でインタビューに応えてくれています。

彼がうちに来た当初は目も合わせられない、大きな声も出ないほど弱っていましたが、インタビューでも分かる通り、今は元気いっぱいになり周りに対して感謝の言葉が出るようになっています。

彼のインタビュー記事はこちらです。

大家族プロジェクト「家族の声」

下記新聞記事の内容になります

農に魅せられ ~コロナ禍転じて~

【芽室】コロナ禍に導かれるように、北海道での就農を決意した若者がいる。この夏、芽室町などで農業の現場を体験した大阪府の大学生塚本遼さん(22)。「大自然の中で暮らすことの幸せを教えてくれた北海道で、農業の道に進みたい」と目を輝かせる。

オンライン授業引きこもりがち

塚本さんは大阪経済法科大学の4年生。新型コロナウイルスの影響で1年以上オンライン授業が続く中、徐々に家の外に出ない生活に慣れていった。そんな時に出会ったのが、引きこもりがちな塚本さんを心配した祖母の友人で、一般社団法人もったいないゼロ協会(後志管内倶知安町)理事長の斉藤保さん(56)だった。

欧州のスキーツアーなどを手掛ける旅行会社を経営していた斉藤さんは、2年前に大阪からニセコへ移住。若者の流出が著しい地方の実態を目の当たりにする一方、IT化が進む農業の現状も知った。

「AI(人工知能)によって都会のオフィスでの仕事はどんどん無くなる。農業こそ若い人がやるべき仕事。」都会と地方の人材のミスマッチこそ「もったいないもの」と考えた斉藤さんは、旅行業から手を引き、このミスマッチ解消をライフワークに定めた。

酪農・畑作 芽室で体験「幸せ教わった」

「何か新しいことに挑戦してみたかった」という塚本さん。8月から斉藤さんと共に農作業に汗を流し、この20日から24日までは斉藤さんの知人のつてを頼り、芽室町内の大友牧場と高野農場で酪農と畑作の現場を体験した。

「農家の皆さんが何の経験も無い自分を迎え入れてくれ、人の温かさを再認識できた。コロナが無ければ、生まれなかった出会いに感謝している」と塚本さん。大学卒業後に北海道へ戻ってくるつもりだ。

一方、北海道へ移住して1人暮らしの寂しさも感じているという斉藤さんは「大家族プロジェクト」を立ち上げた。「気の合う他人が家族のように支え合いながら暮らせる場」をつくるもので、2025年までに拠点となる家を国内10カ所に整備する。倶知安町に続き、沖縄県や香川県でもプロジェクトが進んでいる。

「都会に違和感を感じている人へ、季節ごとに家を転々とし、例えばスキーやダイビングを楽しみながら農業を手伝ったりする暮らし方を提供したい。十勝にも家を作りたい」と話す。

塚本さんを受け入れた高野農場の高野竜二さん(29)は「農業が、都会で息苦しさを感じている人の居場所になれればうれしい。農家にとっても人手不足の解消につながる」と歓迎している。

(丹羽恭太)